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2026.06.18
トレンドリサーチサマリー:突風のように生まれる流行の行方
1. 「音楽」:リバイバルの風とTikTokの瞬発力
5月のApple MusicチャートはM!LKやMrs. GREEN APPLEといった人気アーティストが席巻する中、約14年前の楽曲であるサカナクションの「夜の踊り子」が突如ランクインするという異例の事態が起きています。これはTikTokを中心としたSNS上でのリバイバルヒットが要因であり、4月のチャートと顔ぶれが大きく変わらない定額制配信サービスに対し、TikTokではトレンドが驚くべき速さで入れ替わっていることがわかります。特にショート動画の世界では、新曲の爆発力だけでなく、過去の良曲が「発見」されるサイクルがより顕著になっています。
2. 「SNS」:世界的なミームと仕掛けられた「謎」
今回、国境を越えて拡散された象徴的なミームが、インドネシアの少年がボートの上で踊る動画とサカナクションの楽曲が奇跡的にシンクロした投稿です。この視覚的な面白さがバイラルを起こす一方で、飲料業界では新商品「鬼茶」の発売前に詳細を明かさない長時間配信を行い、消費者の期待感を煽る戦略が話題となりました。若干の炎上を伴いつつも、結果として在庫が完売するほどの盛況を見せており、現代のプロモーションにおける「謎」の演出がいかに強い動員力を持つかを物語っています。
3. 社会的情勢から生まれる「色のない美学」
トレンドの兆しは意外な社会的背景からも生まれており、インク不足を理由にカルビーがパッケージを白黒に変更するという驚きの発表がありました。この供給制約による「モノクロ化」は単なるニュースに留まらず、今後はミニマルで洗練されたモノトーンのデザインが必然的に増え、カラーパッケージが逆にプレミア化するような独特の美意識が広がる予感がしています。効率化や代替案から始まったものが、いつの間にか新しい「クールさ」として定義し直される瞬間に私たちは立ち会っているのかもしれません。
4. 「NEXT」:グローバルオーディションの熱狂
次なる大きな波として注目したいのが、HYBEとGeffenが手掛けるグローバルオーディション番組『WORLD SCOUT: THE FINAL PIECE』の動向です。アメリカを拠点としながらも日本人の参加者が含まれているこのプロジェクトは、豪華なキャスト陣や実績あるプロデューサーの存在により、日本のティーンの間でも非常に高い関心を集めています。デビューに向けて期待感が高まる中、K-POPのメソッドと世界市場を繋ぐこの新しいグループが、音楽シーンの風景を塗り替える存在になることは間違いなさそうです。
5. 総評:流行の文字盤を眺めながら
14年前のメロディが海の向こうの少年のダンスをきっかけに突然タイムラインへ蘇ったり、インク不足という切実な社会問題から新しい「モノクロの美学」の流行が予感されたりと、トレンドが芽吹く場所の予測不能さを改めて実感した1ヶ月でした。
あの少年と日本のロックバンドの曲が奇跡的に重なった理由も、私たちが仕掛けられた「謎」にまんまと惹かれてしまう理由も、ただ「おもしろいね」と言い合って、流行りの曲を口ずさむ。
それが本来あるべきトレンドの姿なのではないかと純粋に思いました。
